映画「空へ -救いの翼- RESCUE WINGS」特設ページ


12月13日より全国で公開される映画「空へ -救いの翼- RESCUE WINGS」の撮影に協力しました。

これは以前からお世話になっている潟Gモーションの杉山プロデューサーから、アニメ『レスキューウイングス』の実写映画を制作するにあたり、航空機の動画空撮をはじめスチールカメラマンとして参加しませんか?というオファーを今年の春頃に頂き、正式にスタッフとして参加することになりました。

今回の動画撮影で一番の大役がF-15の空撮でしたが、台本には「F-15のアクティブな訓練シーン」という一文があるだけ…
どんな感じに撮れば良いのか悩みましたが、最終的には監督から一任して頂けたので、簡単な2vs1のACM機動を映像で表現する事にしました。
かねてから空撮をしていて、スチール向きの機動と動画向きの機動はそれぞれ違うと感じていましたので、機会があれば是非やってみたいと思っていた動画向きの機動をメインに構成してみました。
ただ今回の空撮では、機外はもとより機内にもカメラを取り付ける事ができませんので、後席の手持ちカメラだけでいかに撮影するかが課題でした。
事前に最近の航空映画などを見て研究しましたが、定番の映像に加えて、可能な限り既視感のないアングルやセットアップにトライしてみました。

撮影に許されたのは原則1時間少々の1回のチャンスのみ、これで15種類以上のカットを撮影するのは至難の業でしたが、どれが欠けても成立しないシナリオを自ら課してしまったので、事前のブリーフィングはいつもにもまして入念に実施しました。

映画の撮影では事前にテストをやるのが通例ですが、今回は一発本番で、もしNGの時は一回だけやり直して次に進むという流れで撮影します。ひとつのカットに固執していると、結局ほとんど撮れなかったという結果になりかねませんので、例え完成度が低くても機械的に次々と撮影して行きます。
しかし今回の空撮メンバーは、カメラシップが2004年の空自50周年の取材の時にも前席で飛んでくれたS3佐、そして被写体機のメンバーもベテラン揃いでしたので、納得の行くミッションが実施できました。

ただ今回の映画の主役は、あくまでもUH-60JやU-125Aといった救難機という事もあり、最終的にF-15Jの登場シーンは1分強と限定されたものになりました。
その中でACM訓練の概要はもとより、その迫力やF-15の高いパフォーマンス、そしてファイターパイロットの世界などがどれだけ表現できたのか、ぜひご覧になって頂きたいと思います。

なお、U-125Aの捜索シーンはT-4から空撮しましたが、前席は元ブルーインパルスのO1尉が務めてくれました。
500ftの洋上を低空飛行しながらの撮影でしたが、弱いタービュランスのなか、T-4のスペシャリストの面目躍如たる安定した撮影環境を提供してくれました。


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